【A-PEN68開発の記録】第6話 ~A-PENサウンドがもたらした“違い”~
- R.Nakanishi

- 4 日前
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更新日:2 日前

爆釣と言える状況だった津波ルアーズ元木さんとの淀川釣行。このとき強く印象に残った「音」について、A-PENが持つ性能のひとつとして、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。
この日、元木さんが使っておられたのは、サムルアーズさんと津波ルアーズさんがコラボしたペンシルベイト【フランクサム】。

サイズ感は、70mm・11gでA-PEN65を二周り大きくした感じ。
決定的に違っていたのは、そのペンシルにはラトルやワンノックサウンドが入っていなかったという点でした。
一方で、僕が使っていたA-PEN65には、しっかりとワンノックサウンドが入っている。

ここで少し前提として書いておくと、元木さんは言うまでもなく、トップの釣りをずっとやってこられた方です。淀川というフィールドに対する理解も深いし、ボートからのキャスト精度、ポイントへのアプローチ、タイミングの取り方。技術的な部分は、圧倒的に僕よりも上手い。
実際、元木さんも、僕のルアーを見ながら、同じようなアクション、同じようなアプローチを試しておられました。
それでも、です。
結果として、バイト数に圧倒的な差が出てしまった。
これはもう、キャスト精度とか、操作技術とか、そういうレベルの話では説明がつかない差でした。最終的に残る違いを突き詰めていくと、やはり行き着いたのは、
・A-PEN65にはワンノックサウンドが入っている
・元木さんのペンシルベイトには、それが入っていない
この一点だったと思います。
当日の淀川の状況を振り返ると、完全なクリアウォーターではありませんでした。

上流部での工事や、流域での影響もあって、水質は若干のささ濁り。白っぽく濁りが入っていて、透明度はあるものの、魚が完璧に視覚だけでルアーを捉えられる状態ではなかった。
こういう状況下では、しっかりとした強さのあるサウンドが必要だった。今回のテストでは、その差がはっきりと出たように感じました。
この感覚は、実は過去の経験とも重なります。
池原ダムで、サタン島田さんに釣っていただいたサイレントブラスターの65cm・4kgオーバーの魚。あの時も、雨による濁りが入った状況で魚の視界はかなり悪かった。その中で使われていたのが、非常に強いワンノックサウンドと水押しを持つサイレントブラスターでした。結果として、50アップ、65cm、さらにもう一本と、立て続けに大きな魚を引き出してくれた。

今回の淀川も、条件は違えど、「視覚だけに頼れない状況」という意味では共通していたと思います。
若干の透明度はあるけれど、ささ濁りで輪郭がぼやける水質。そういう中では、やはり強いサウンドを持つルアーが、魚にスイッチを入れる力を持っている。
実際、ノンラトルのA-PEN65も持って行っていました。

ですが、それを使っても明確な反応は出ず、どうしてもバイトが続いたのはワンノックサウンド入りのモデル。
結果的に、僕自身もそのモデルを使い続けることになりました。
この淀川でのテスト釣行は、後から振り返ってみても、A-PENにおけるワンノックサウンドの意味を、はっきりと認識させてくれた出来事だったと思っています。
ここでひとつ、誤解のないように、きちんとお伝えしておきたいことがあります。この淀川釣行は、「ワンノックサウンドが良くて、サイレント(ノンラトル)が悪い」というお話ではありません。これは、どちらが優れているか、という比較ではないということです。
ワンノックサウンドも、ノンラトル(サイレント)も、どちらもルアーの「性能の一部」であって、それぞれに使い分けるべき最適解のシチュエーションがある。
僕自身は、そう考えています。

今回の淀川では、結果としてワンノックサウンドが圧倒的にハマる状況でした。若干の笹濁りが入った水質。完全に視覚だけでルアーを追えるほどの透明度ではない状況。
こういう条件下では、軽いラトルや無音のアプローチよりも、しっかりと魚に届くワンノックサウンドが、強く効いた。
これは間違いないと思います。
実際、このサイズ感――A-PEN65・A-PEN68クラスで、ここまで明確にワンノックサウンドの差が出たことで、「このサイズに対するワンノックサウンドは、間違いなく武器になる」
という確信を持つことができました。それは同時に、自分の中でのA-PENの開発の方向性について大きな自信にもつながった出来事でした。
だからといって、ノンラトル(サイレント)が不要かというと、それはまったく別の話で、例えば、水が澄み切った状況。プレッシャーが極端に高いフィールド。音に対して魚がナーバスになっているタイミング。そういう場面では、ワンノックサウンドが逆効果になることも、必ずある。
むしろ、ノンラトルだからこそ口を使う魚がいる。サイレントだからこそ取れる一本がある。それも、これまでの経験の中で、何度も感じてきたことです。
今回の釣行を通して改めて強く感じたのは、「どちらが良いか」ではなく、
「どう使い分けるか」が、結果を大きく左右するということでした。
ワンノックサウンドでなければ出せない反応がある。
ノンラトルでなければ成立しない場面もある。
そして、今まで一般的なペンシルベイトでは出せなかった“反応”を、A-PENのワンノックサウンドが引き出す瞬間が確かに存在する。
今回の淀川での釣果は、その事実を、とても分かりやすく見せてくれた出来事だったと思っています。

実はこの釣行では別の課題も感じせてくれていました。
それは飛距離とキャスタビリティ。
今回1日中使い続け、攻め続けたことで今のA-PEN65にはもう一声その部分が不足しているように感じていました。
釣果は申し分ないほど出ている。
ボートからのキャストだと悪くはないし使える。けどベストではない。
オカッパリのことを考えると飛距離とキャスタビリティを、もう一段上げたい――。
不思議とチニングでアドバイスいただいていた言葉とシンクロする感覚が自分の中に芽生え始めていたんです。
今振り返ると、この元木さんとの釣行は、 A-PEN68というルアーの方向性を決定づける大きな分岐点だったと思います。
この釣行での結果は、最初から狙っていたわけでもなく、理論で組み立てていたわけでもない。ただフィールドで投げ続けて 魚の反応を見続けた結果、後から腑に落ちた。
バスで通用する性能を自身の中で確信できたことで、この構造をそのままチヌトップにも落とし込める手応えを得たんです。

A-PEN65は、「バスとチヌ、両方のフィールドで成立するペンシルベイト」への第一歩。
そして、その先に続くAペン68開発の明確な道筋を描くきっかけになった非常に大切な実釣テストになりました。
次回はいよいよ68mmサイズへの調整【A-PEN65からA-PEN68へ ― 重量とバランスの最適化】をお届けします。







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