ゼルファス133F開発に深く関わった樋口氏が語る【常識を壊したミノーの真実】
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ゼルファス133Fの開発において、設計・フィールドテストで多大なご協力をいただいたのが、ADUSTA特約店ヒグチ釣具店の樋口店長です。
発売後の反響や釣果の広がりについて、現場で多くのアングラーと接している立場から総括コメントをいただきましたので掲載させていただきます。ゼルファス133F開発の背景とともに、ぜひご覧ください。
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2026/2

◎ 予想以上の反響と釣果
ゼルファス133Fが発売になってから、4か月少々が経ちました。
おかげ様で予想を大幅に上回る高評価をいただき、ADUSTAさんの社内在庫が発売から1か月程で底をつき、全国の小売店さんでも早々に完売になったようです。
私が開発に深く関わったという恩恵もあるでしょうが、当店では、発売前から1店舗としては前代未聞の700個程の予約注文をいただきました。
そして、2か月で1400個以上を売り上げるというかつてない驚異的な販売数を記録しました。
また、発売後の釣果報告もそのスピード、数ともに尋常では無いレベルでした。
それは、当店のお客様に限ったことではなく、全国各地から「釣れました。ありがとうございます。」という喜びの声が多数寄せられました。
本当にありがたいことで、開発に深く関わらせていただいた一人として、大変嬉しく思いました。

◎ 釣り場と釣り人のことを徹底的に考えた設計
ゼルファス133Fがヒット商品になった要因はどこにあったのでしょうか?
それは、第一に、釣り場とそこに立つ釣り人のことをしっかりと考えて造り込んだ!
そこに尽きるように思います。
これまでのルアー業界は、有名アングラーがしていることに羨望のまなざしを向けさせることで成り立たせてきました。
ところがです、ゼルファス133F開発の舞台となった渥美半島伊良湖岬周辺は、大型魚が種類、数ともに豊富で、魅力的なフィールドでありながら、向かい風や横風が強く、そういう日ほど釣果が上がりやすい、しかも遠浅で根が点在しているポイントが多いという特徴がありました。
そのため、風や波が強い中、遠投してシャロー域をしっかり泳がせなければならないという難題が付きまといました。
これまで、その難題を十分にクリアしたルアーは、開発・製造が難し過ぎるため、存在しませんでした。
だから、有名アングラーほど好条件の伊良湖を避ける傾向がありました。
メーカーやご自身の威厳を守るためにも、仕方がなかった側面があるように感じています。
ただ、そこに、お客様の思いとのギャップがありました。
釣り場にしっかり対応し、釣り人の願いを叶えるルアーを作り上げたい!
ゼルファス133Fの開発は、そこからスタートしました。

◎ より多くの釣り人に愛されるには?
開発の地伊良湖岬がどちらかというと手ごわい釣り場だったというのが、ゼルファス133Fが全国各地の多くの釣り人から絶大な支持を受けることにつながりました。
そうした意味でも、私は、伊良湖岬の近くで生まれ、育ったことに感謝しています。
飛距離の出るルアーを作れば、近距離は楽に狙えます。
波が強い状況でもシャロー域をいい感じでしっかり泳ぐルアーを作れば、波が静かなタイミングなら、簡単に泳がせられます。
このように、基本性能に優れ、状況対応幅の広いルアーを作れば、より多くの釣り人に気に入ってもらえるルアーになります。
今までのルアーは、初級者でも上級者でも3尾釣れるものか、初級者が0尾で上級者が5尾釣れるもののいずれかがほとんどだったように思います。
ゼルファス133Fは、全国のいろいろな場所で使っていただけて、初級者でも3尾、上級者なら5尾釣れるようなルアーにすることで、より多くの釣り人から愛されるルアーを目指しました。

◎ 常識からの脱却
ゼルファス133Fが目指すルアー像を実現するためには、どんな風の状況でもよく飛び、波が高くてもシャロー域をしっかり泳ぐルアーであることが不可欠になります。
でも、それは不可能である!と業界では考えられていました。
なぜなら、飛びと泳ぎは両立出来ないもの!ととらえ、どちらかを優先するルアー作りが行われていたからです。
でもでも、それでは、伊良湖の海には対応できません。
そこで、ゼルファス133Fの開発に当たり、従来とは着眼点を変えることにしました。
今までの遠投系フローティングミノーはどれも飛行姿勢を良くすることで飛距離を最大化する方針でした。
そのためにヘッド部やリップの小型化が必須でした。
ところがそうすると、水のつかみが悪くなり、泳ぎ出しが遅く、荒波にもまれやすいミノーになってしまいます。
そこで、ゼルファス133Fでは、ヘッド(受け口、カップ)の面積を確保しつつ飛ばす秘策を物理的視点から別に考え、ボディ形状やウエイトシステムを練りました。
この詳細については、難解ですし、企業秘密的なことがありますので、また、皆さんにお話しできるタイミングが出来たらお話ししたいと思っています。
そして、飛行姿勢を整え、飛距離を伸ばす方策の1つとして、新しいラインシステムを推奨することにしました。
それが、FNリーダーです。
このシステムにより、ゼルファス133Fだけでなく、今まで横風や向かい風が強くなると、とたんに投げにくくなったミノーの多くがずいぶん投げ・泳がせやすくなりました。
こうして、ゼルファス133F+FNリーダーという最強のタッグが出来上がりました。

◎ 苦悩・失敗を喜び・成功に替える
ゼルファス133Fが出来上がるまでには、多くの苦悩と失敗がありました。
その1つがゼノスパインの採用により、ボディバランスが難しくなり、テストしては設計し直す、これを繰り返したことです。
でも、最終的には、そのゼノスパインの採用が飛びと泳ぎの両方のレベルアップにつながりました。
だから、ゼノスパインを提案してくださったADUSTAさんには、感謝しています。
サンプルが完成して出かけた九州への釣行では、自分に課せられたミッションである大型シーバスを釣ることが出来ず、気持ちが沈んだ時もありました。
そうした時も、不思議なもので、素直な気持ちで人と接していると、誰かが助けてくれます。
今思うと、ゼルファス133Fが大人気ルアーになったのも、開発やテスト釣行の段階から正直に、盛らずに、目的に従い、結果だけを求めずに、歩み、発信し続けたのが大きかったように感じます。
目的を達成するために多くの人と関わると、複雑さが増し、難解になることがたびたびあります。
でも、それは、新しいことを成し遂げる際に、必要不可欠なこと、ゼルファス133Fを通して、そう思えるようになりました。

◎ 成功の先にあるもの
ゼルファス133Fには、もう1つ重要なテーマがありました。
それは「もう一投したくなるミノー」を作る!でした。
ゼルファス133Fをご愛用いただいているお客様の1人にその魅力を聞いてみました。
その答えは「総合力が高くて、釣り人の思いの通りに仕事をしてくれる」でした。
とてもありがたい言葉に、作り手の1人である私が感銘を受けました。
事実、ゼルファス133Fにはそうした魅力があるからこそ、私自身も「もう一投!」と使い続けることが出来ます。
11月にブリを釣った時も、12月にアダスタさんの動画撮りを一発で決める良型シーバスと出会えた時も、ゼルファス133Fに助けられました。
感動的な1尾と出会う確率を大幅に上げてくれるミノー、ゼルファス133Fは、そんなルアーだと思います。
ただ、環境の変化が進行し、今後、釣果という面では、多くの釣り場で厳しさが増すように思います。
そんなとき、自然と対話しながら、ルアーを投げ、泳がせているだけでも楽しい。
心地よさを感じながら、釣りに没頭出来、もう一投したくなる。
そんな楽しさの先に、1人1人、それぞれのいろいろな感動がある。
そうなっていけたら、釣果が落ちようが、人々は釣りを止めないでしょう。
ゼルファス133Fで実感したお客様と感動を共有することの素晴らしさを、これから先も繰り返し感じられることを切に願いながら、次のステージへ進んでいきたいです。


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