【A-PEN68開発の記録】第8話 ~チヌトップにハマった一年~
- R.Nakanishi

- 13 時間前
- 読了時間: 4分

僕のチニングは、「とにかく淀川・武庫川の情報を集めるところ」から始まりました。
チニングで有名なモリゾーさんの動画であったり、 YouTubeで「淀川チニング」「武庫川チニング」と検索して、 引っかかる動画をとにかく見倒しました。
「どこで釣ってるんやろう」
「どうやってアプローチしてるんやろう」
「立ち位置はどこやろう」
2023~2024年ごろは、まったく分からない状態からのスタートだったので 本当に手当たり次第の手探りでした。
どうやったら食わせやすいのか。
どんなスピードで動かしてるのか。
ラインスラッグはどれぐらい出してるのか。
動画を見ては真似をして、 本を読んでは実際にフィールドに立って失敗して、 時折フラッグシップさんやトップバトラーさんに聞いて、「それで合ってますよね?」とか「そこはもう少しこうですかね?」と答え合わせをしてもらう。
出るけど乗らない。出るけどフッキングできない。
その繰り返しでした。
半信半疑のまま、でも確実に何かを掴みかけている感覚もあって、A-PEN68のプロトもその流れの中で少しずつ改良していきました。
内部構造をできるだけシンプルにして、空気室をできるだけ確保する。それでいて、ワンノックサウンドとウェイトはしっかり載せる。
A-PEN90と同じ質の音を出しながら、より浮力を確保できる構造。そのバランスを詰めながら、テストを重ねていきました。

2025/06/01。その日は朝からTK拓哉さんと一緒に、A-PEN68プロトのテストを淀川で行っていました。
朝イチからマンション前に入って、対岸の福近辺など下流域を中心に午前中ずっとやりきりました。
TK拓哉さんは、やはり何本も出しておられました。
でも乗らない。
僕も何本か出しましたが、やっぱり乗らない。
「惜しいなあ」
「もうちょいなんやけどな」
A-PEN68プロトのアクションや飛距離の意見交換をしながら魚を狙って歩きまわり、時間が過ぎていきました。
潮止まりぐらい、午後2時ぐらいになって
「今日はこのへんで終わりましょうか」
ということになりました。
その時点で、 2人とも釣れていない状態でした。
一旦解散して、 帰ろうかなと思ったんです。

でも、どうしても諦めきれなかった。
「もう一回だけやろう」
そう思って、 一人で塚本付近に入り直しました。
塚本から十三方面へ、石積みのショアライン沿いを歩きながら叩いていく。
以前、ネオリーンで何度も反応があったエリアだったので、 「ここだけは見て帰ろう」と決めました。
下流から上流に向かって、丁寧にショアラインを流していく。
叩き始めてすぐに、何発かバイトが出ました。
「やっぱおるやん」
足元を見ると、ハクが入っている。ベイトがまとまって遡上している。
「これはいけるかもしれん」
そう思いながら、さらに上流へ歩いていきました。
石積みの中に、 少しだけ沖に崩れて張り出している変化がありました。
その上流側にキャストして、ゆっくりドッグウォークさせてくる。
A-PEN68のワンノックサンドが心地よく響く。
ちょうど張り出しの先端あたりで、チェイスしてくる影が見えました。
岸ギリギリまでついてくる。
「食え、食え」
そう思いながら、岸際で粘って首振りを入れた瞬間。
ドンッと重みが乗って、ロッドが一気に絞り込まれました。

おそらく45cm前後。その時メジャーを持っていなかったので実測はできていませんが、
体感ではそれぐらい。
それまで何度も出しては乗せられなかったチヌを、ようやくしっかりフッキングして、ランディングできた。
「こうやって追ってきて、こうやって持っていくんや」
その一部始終をしっかり観察できて、体で理解できた瞬間でした。
「今のA-PEN68で正解やった」と、心の中で強く思いました。
あの一本で、自分の中にようやく “チヌトップ”という釣りが落ちてきました。
理屈ではなく、感覚として。
あそこから、完全にハマりました。
A-PEN68というルアーを通して、「チヌトップの世界をもっと掘り下げたい」という新しい探究心が力強く芽生えて育って行きました。
この一本こそが、すべての始まりだったように思います。
ここで一度、少し立ち止まってみたいと思います。なぜ今、A-PEN68なのか。なぜこのサイズ感に自分自身もこだわっているのか。
それは「ノースウェーブの北方さんから提案いただいた」からだけでも「チヌトップにハマったから」だけでもありません。
深く自身の中を見つめ直してみると、もっと根っこの部分にあったのは、自分のバスフィッシングの原点だったんだと思います。
次回は【原点回帰としてのA-PEN68】というお話をお届けしたいと思います。



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