【A-PEN68開発の記録】第11話 ~関西バスフィールド最終テスト編~
- R.Nakanishi

- 4 日前
- 読了時間: 7分

■琵琶湖北湖・室生ダムで見えたA-PEN68の完成形
A-PEN68の開発も、いよいよ終盤。内部構造、浮力設計、ワンノックサウンド、飛距離、アクションレスポンス―― そういった細かな部分を詰め切った最終段階で、もう一度最初に立ち返って確認したかったのが、「このサイズのワンノッカーペンシルベイトが今のバスフィールドで、魚がどう反応するのか」というテストでした。
■琵琶湖北湖テスト ― 完全無風の真夏日に出た50アップ
2025年7月2日。
A-PEN68最終モデルを持って、琵琶湖北湖へ向かいました。テストに協力していただいたのは、ノースウェーブの北方さん。A-PEN68開発のきっかけを与えてくださり、初期段階から最後まで、非常に深く関わっていただいた存在です。
この日の琵琶湖は、かなり特殊なコンディションでした。
梅雨時期特有の高湿度。 湖面には薄くモヤがかかり、水面と空の境界が曖昧になるような状態。
しかも驚くほどの無風。水面は完全な鏡状態。湖北は幾度もきていますが、こんな景色・絶景を見るのは初めてでした。

まずは竹生島東側〜北東側の岩壁エリアからスタート。
周囲にはコアユの群れも多く、生命感はかなり高い。
飛距離
浮き姿勢
アクションレスポンス
ワンノックサウンド
そういった部分を最終確認していきました。
その中で、「これ以上ダイビングすると、逆にバスには使いづらいよね」みたいな話もしながら、最終的なバランス感を詰めていってたんです。
そんな中。
上がってきたのは、朝一一発目からの50アップ。しかもコアユをしっかり食っている、プリプリのコンディション。
この一本で、北方さんご自身もかなり良い感触を掴んでくれていたようで、
「これは、いけるんちゃいますか」
という空気感が一気に出始めました。

■完全ベタ凪・真昼間でも出た二本目
その後、竹生島周辺では追加が出なかったので、今度は北小松方面へ移動。
沖の取水塔周辺をチェックしていきました。
そして、また数投目。
この時点で、時間は真っ昼間。
無風。 高水温。 気温も30度を軽く超えていたと思います。
普通ならトップウォーターとしてはかなり厳しい条件。
それでもA-PEN68で50アップを追加。これはA-PEN68にとって非常に大きな意味を持つ魚でした。
朝夕だけじゃない。
真昼間
ベタ凪
高水温
そんな条件下でも、しっかり魚を引っ張り上げられる。このルアーには、その力がある。
それを証明できた瞬間だったと思います。
結果的に、この日は50アップ2本。
北方さんからも、
「今の琵琶湖で、この無風状態の中で50アップ2本なら十分ちゃいますか!」
ということで、OKをいただけました。
この時の映像は動画にも収録できていて、僕らにとっても非常に印象深いテストになりました。

■室生ダムテスト ― ハイプレッシャー化するリザーバーで見えたもの
2025年6月7日(土)の室生ダムでのテスト。A-PEN68最終プロトモデルの実釣確認へ向かいました。
室生ダムも、ここ数年かなりハイプレッシャー化が進んでいるフィールドです。
5年前、3年前と比べても、年々難しくなっている。そんな状況の週末で、A-PEN68が通用するのか。それを確認したかったんです。
ただ、この日は朝からそこまで魚っ気が強い感じではありませんでした。
そこでペンシルベイトの基本に忠実な使い方をしていったんです。
4回ほど首を振らせる
ポーズ
5秒ほど止める
また首を振らせる
そんな、トップウォーターの基本的なテンポ。
するとショアライン沿いで、
「ガバァン!!」
と、下から突き上げるような非常に派手なバイト。
この“突き上げるようなデカタ”っていうのは、実はA-PEN68のテスト中、かなり印象的に出ている特徴なんです。

■ワンノックサウンドが持つ“激しく出させる力”
2024年10月、淀川で津波ルアーズの元木さんとテストした時もそうでした。今回の琵琶湖でもそう。そして室生ダムでも同じ。
A-PEN68のように、“小さいボディに対して強烈なワンノックサウンドを持つルアー”
っていうのは、魚が非常に激しく出る傾向があるじゃないかと僕の中では感じ始めています。
下から突き上げるようなバイト。
水面を割る激しい出方。
そういう“トップウォーターらしい楽しさ”を非常に引き出しやすい。
もちろん、この部分に関してはまだまだ検証途中です。ただ、現段階でかなり高確率で発生しているバイトではあるんです。
■室生ダムでも結果を出せた意味
2025年7月5日(土)の室生ダムでのテスト。この日はテスター邊見と二人で、実釣テスト。自分とは違う使い方をする邊見。ポーズを長めに取るアクションで45upをキャッチ。さらにその後も40クラスを筆頭にA-PEN68で複数本追加してくれました。
つまりA-PEN68は、
琵琶湖のような大きなフィールド
室生ダムのような中規模ハイプレッシャーリザーバー
淀川のような一級河川
関西を代表する身近なフィールドでしっかり結果を出せた。
これは非常に大きかった。
特殊な状況・フィールドでの専用のルアーではなく、“身近なバスフィールドで、しっかりトップウォーターを楽しめるルアー”として成立できたんじゃないかと感じることができたテストでした。

■バスフィールドテストを経て見えてきた「チューニングの余白」という考え方
今回、A-PEN68をバスフィールドで本格的にテストしていく中で、僕自身かなり強く感じたことがありました。
それが、
「バスアングラーとチニングアングラーでは、求めるセッティングが微妙に違う」
ということです。
これまでA-PEN68は、
淀川
武庫川
大阪湾
といったチニングフィールドで、かなり繰り返しテストを行ってきました。
その中で、トップバトラーさん、フラッグシップさん、TK拓哉さんといった、チニングを本格的にやり込んでおられる方々から、様々な意見をいただいてきたんですね。
一方で、
琵琶湖北湖の北方さん
リザーバー・野池・川を中心にやっている邊見
そして僕自身
という、淡水のバスフィッシング寄りの視点でテストしていくと、“求める操作感”が、明確に違うことが見えてきました。これは当然、狙っている魚の特性の違いもあると思います。
ただ、それだけじゃなくて、
海水か淡水か
塩分濃度
使用ライン
ロッドの種類
リーダーの長さ
キャスト距離
そういった部分によっても、かなり感覚が変わるんです。それが「あとほんの少し」のセッティング部分で、はっきり分かれていました。
そこで僕自身が最終的に辿り着いたのが、“どちらにも寄せ切らない”という考え方だったんです。
これは前回の「セッティングの余白」という話にも繋がる部分なんですけど、最終的にA-PEN68は、
“アングラー自身が最後の微調整をできる余白を残す”
という方向に決断しました。
それがマルチターゲットであるA-PEN68の最終セッティングなんです。
どれか一つだけの“正解”には寄せ切らなかった。
でも逆に言えば、
“ほんの少し触るだけで、どちらにも寄せられる”
そういう状態まで作り込めた。
今はこの「余白を残す」という考え方が間違ってなかったんだと僕自身は感じています。

■次はいよいよチニング最終実釣テストへ
このバスのテストを経て、A-PEN68はさらに次の段階へ進んでいきます。大阪湾ボートチニング。そして中国地方・山口県岩国エリアでのチニング実釣テスト。A-PEN68が、本当に“バスとチヌを繋ぐトップウォータープラグ”として成立するのか。次回は、そのチニング実釣編についてお話ししていこうと思います。



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