ネオリーン開発のきっかけ 開発秘話~episode1~
- R.Nakanishi
- 3月28日
- 読了時間: 3分
ADUSTAのルアーデザイナー中西です。
【開発秘話】今回は【なぜネオリーンを開発することになったのか?】開発のきっかけをお話したいと思います。
「ネオリーン」開発のきっかけとなったのは、中国のADUSTAディーラー「iLure」の社長・王さんらの要請でした。

僕は以前、ヴァガボンド・ハイクオリティタックル時代に「エンドリーン」というポッパーをハンドメイドで製作していました。当時、このエンドリーンは日本国内で販売していましたが、やがて中国市場に流れ高額で取引されるようになり、最盛期には数万円前後のプレミア価格がつくほどの人気となっていたと王さんから教えていただきました。

そのエンドリーンに魅了された「iLure」の社長・王さんから、「もう一度、あのポッパーを作ってほしい」という打診を受けたのが、ネオリーン開発の発端です。
しかし、ただの復刻版を作るのではなく、現代の釣りのニーズに合わせ、更にブラッシュアップした高性能なポッパーへ進化させて生産するべく開発しようという話で意気投合。一気に話は進み始めました。
ネオリーンのターゲットとして設定されたのは「スカイゲイザー(チャオジー)」と呼ばれる中国のフィッシュイーター。スカイゲイザーは、日本でいうシーバスとワタカを掛け合わせたような淡水魚で、最大1mを超える個体もいます。このスカイゲイザーを狙うため、王さんは以下のようなスペックをポッパーに求めていました。
●ロングキャスト性能が高いこと
遠くのフィーディングエリアまで届く飛距離が必要。
●大きな音を出せること
広範囲の魚にアピールするためチャガーサウンドが求められる。
●70mmほどのサイズ感であること
既存タックルで背負いやすい70mm・1/2ozクラスでロングキャスト性能を引き出す。
これらの条件を満たしながら、アクションの自由度を高め、特に大きなポップサウンドを特徴とするチャガーとしての完成度を追求したのがネオリーンです。

王さんからのリクエストで始まったネオリーンの開発ですが、日本のバスフィッシングシーン・僕のメインフィールドである関西リザーバー(高山ダムや室生ダムなど)でも同様にネオリーンの特性が存分に活かされます。
ロングキャスト性能・狙ったポイントに正確にアプローチしやすいキャスタビリティ・ロッドワークにリニアに反応してくれるアクション性能は万国共通。この基本性能とチャガーとしての性能をいかに高次元で纏め上げるかが今回のネオリーン開発でもキーになってくるわけです。
次回の記事では、「ネオリーンに詰め込んだ性能と内部構造」について詳しく解説していきます。ネオリーンがどのようにして飛距離・音・アクションの3要素を高次元で両立しているのか、その秘密に迫ります。
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